仕事選びの楽しさを伝えるインストラクターとして活動している私も、かつては理想の仕事を求めながら、現実とのギャップにもがき苦しんでいました――
青春時代を過ごした1980年代は、トム・クルーズやマドンナに象徴されるアメリカ・ポップカルチャーの全盛期。地元大分の高校を卒業し、東京の私立大学を出ると、海外へのあこがれを抱いて旅行会社に就職しました。12年間、世界中のさまざまな景色を一通り目にしたあとで、ふと「自分が本当にしたいことは何だろうか」と疑問を抱くようになりました。
その後、大手金融機関の営業職に移りましたが、会社のノルマ至上主義に違和感を抱き、42歳で2度目の転職活動。そこでいわゆる「40歳の壁」にぶちあたりました。
頑張ってきたことが、なぜ評価されないのか?
面接には自信があるのに、40歳を越えているというだけでなぜ書類選考の先に進むことができないのか?
何度も悔しい思いをして、鬱に近い状態にさえ陥りました。
その後、縁あって故郷大分にある人材派遣サービスの企業に就職しました。あらゆる業種の経営者さんや人事担当者さんと膝詰めでお話をするなかで実感したのは、中小企業における慢性的な人手不足の深刻さです。
求人募集をしても、なかなか集まらない。
人材会社にもストックがない。
行政は若者のUIターン移住を促進するマッチング事業に取り組んでいますが、地元産業の担い手不足は深刻さを増す一方です。
そこで、気がつきました。一番の問題は、地元に良い会社がたくさんあり、社員想いの良い経営者がたくさんいるのに、求職者がそれを知る機会がほとんどないこと。それなら、自分が求職者と企業の橋渡し役を担えばいいではないか、と。
大分の魅力を、そして大分にある優良な会社の情報をいかに発信し、県内外にいる求職者に届けるか。この最大の課題に立ち向かうため、2022年4月に「働く未来」を創業しました。県外の求職者が、ぜひ大分に移住して働きたいと思うような地元優良企業の発掘と、SNS等を通じた情報発信、そして他県から移住する方に安心して新しいスタートを切ってもらうための、キャリアカウンセリングを通じたメンタルケアにも取り組んでいます。
単にビジネス効率だけを優先するのであれば、都市部にある大企業へと集中的にアプローチすべきでしょう。でも、「働く未来」はあえて優良な中小企業の人材確保支援にこだわります。地元大分でよい仕事、よい人材と出会うことのできた方々の笑顔を見るのが、私自身が仕事に取り組む上でのかえがたい喜びだからです。
大分に就職する人を増やし、大分の経済を盛り上げていきたい。そんな想いを「働く未来」の企業ミッションとして、これからもたくさんの求職者、経営者、人事担当の方々と出会い、仕事の楽しさを広げるプロジェクトを力強く推進していきます。
≪補足≫
1975年生 大分県大分市出身
学生時代に注いだこと:空手(初段)、野球、弓道(2段)、競技スキー
趣味:旅行、釣り、筋トレ
課題解決型営業職を20年、人材紹介業、キャリアカウンセリング・講師(業)
主軸事業として、展開している。
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